営業代行は、自社の営業活動の一部またはすべてを代行会社に委託できるサービスです。営業代行に興味のある中小企業の経営層や営業部門責任者なら、「自社の業界・業種は営業代行に向いているのか?」と疑問を持つでしょう。
この記事では、営業代行が向いている5つの業種・業界に焦点をあてて、営業代行が向いている理由や運用のポイントを紹介します。
営業代行を具体的に検討するために、ぜひご活用ください。
営業代行が向いている業種・業界とは
営業代行が向いている業種・業界には、大きく2つの特徴があります。
1つ目の特徴は、「営業人材の確保・育成が難しい」です。求人に応募が少なかったり営業人材の育成にかけるリソースが足りなかったりする場合は、営業代行が向いています。
たとえば、福祉・介護業界です。
福祉・介護業界は、介護職員の人材不足が長期的な課題となっており、営業人材の確保・育成よりも介護職員の確保が優先されています。その結果、「営業活動にあてる人材が足りない」「質の高い介護サービスを提供しても、得意先に周知できない」という事態が起こるのです。
ここで、営業代行を活用して自社の営業を強化できれば、新規相談や紹介の件数増加を期待できます。
2つ目は、営業に「スピード感」が求められる業種・業界です。自社の商材をいち早くターゲットに訴求したいときに、営業代行が向いています。
たとえば、情報通信業では、新たな技術開発に伴い企業のサービスは日々進化しています。その中で自社の商材を「売る」ためには、早い段階での認知獲得が欠かせません。
営業代行を活用して自社の営業リソースを確保できれば、競合他社に遅れを取らずに、短期間でターゲットとの接点を持てます。
営業代行が向かない業種・業界とは
一般消費者を対象にした業種・業界は、営業代行の効果を十分に発揮できません。こうした業種・業界は、ターゲットの範囲が広すぎるほか、地域密着型の営業が効果的だからです。
たとえば、美容室や整骨院の主な営業ターゲットは、お店近くの住民や関係者となります。
こうした一般消費者を対象にした店舗では、店長や店舗スタッフが営業活動に出向いて「顔を売る」営業が有効でしょう。
しかし、営業代行は、お店に直接雇用されるスタッフではないため、一般消費者との信頼関係の構築が困難です。
仮に、営業代行のスタッフが、地域のお宅を一軒ずつ飛び込み営業をしても十分な成果(来客)を見込めないでしょう。
同様の理由で、地域のスーパーや小売店なども営業代行が不向きといえます。
営業代行に向いている業種・業界5選
営業代行が特に向いている業種・業界を5つ紹介します。
- 情報通信(IT・SaaS)業
- 建築業
- 製造業
- 福祉・介護
- 人材紹介業
情報通信(IT・SaaS)業
情報通信業の中でも、パッケージソフトを事業の中核に据える企業は営業代行に向いています。特に、中小企業が自社の開発ソフトを大手企業に売り込みたい場合が効果的です。
大手企業への営業は、競合相手が多くなります。競合相手に負けないためには、一定水準以上の営業スキルが求められるのです。しかし、ソフトの開発費に予算を割いた結果、必要な営業人材を確保できないケースもあるでしょう。
また、クラウドサービスの中でも、SaaS(Software as a Service)は営業代行に向いています。
コスト削減や柔軟な運用が可能なSaaSは、IT業界の中でも注目のサービスです。さまざまなサービスが展開される中で自社の存在感を出すためには、営業のスピード感が欠かせません。
ここで、営業代行を活用すると、たとえ自社の営業人材が不足している場合でも、すぐに営業人材を確保できるため、早期アプローチを実現できます。
営業代行を利用することで、営業のプロフェッショナルの手を借りられます。人材の採用や育成にコストを割かずに、自社の営業活動を強化できるのです。
建築業
建築業の営業では、業界の特徴に対応した営業スキルが必要です。
たとえば、一件あたりの単価が数千万から数億円にのぼる民間工事の営業では、地主を納得させるだけの提案力、信頼関係を築くコミュニケーション能力が欠かせません。
そこで、建築業界で実績のある営業代行に依頼すれば、建築業界特有のルールに配慮した営業活動を期待できます。継続的なコミュニケーションや提案によって、受注の可能性を高めてくれるでしょう。
製造業
製造業は、自社で製造した「モノ」を売る業界です。営業には、製品の魅力や強みを正しく伝えるプレゼンテーション能力が求められます。
また、企業向けの商材は取引が高額になりやすいため、相手との信頼関係を構築するコミュニケーション能力も欠かせません。
その点、営業代行の営業スタッフは営業のプロフェッショナルです。一定レベル以上のプレゼンテーション能力とコミュニケーション能力を併せ持っています。
営業代行を活用すれば、わかりやすく論理的なプレゼンテーションと顧客の好感を獲得するコミュニケーションによって、自社の商材を効果的に売り込んでくれるのです。
福祉・介護
福祉・介護は、介護人材の確保に力を入れている事業所が多く、営業のプロフェッショナルが少ない業界です。
営業のノウハウ・経験が豊富な営業代行を利用すれば、介護事業所の魅力をより多くの「居宅介護支援事業所」に知ってもらえるでしょう。
広報誌や施設ブログといった活動も、営業代行と連携すればより有効な営業ツールに生まれ変わります。
営業代行は、新規利用者の獲得率を高めたい介護事業所や福祉施設におすすめの施策です。
人材紹介業
人材紹介業の営業では、「ターゲットに人材不足が生じたタイミング」で営業することが重要です。
企業が人材を欲しいタイミングで営業を仕掛けることで、自社のサービスを利用してもらえる確率が高まります。
しかし、そのタイミングで営業活動を仕掛けるためには、ターゲットの状況を把握できる営業人材が欠かせません。
営業代行を利用すると、ターゲットへの継続的なアプローチが可能になり、効果的なタイミングで営業を仕掛けられるようになります。
「いつ営業を仕掛ければ効果的なのか」がつかみにくい人材紹介業でも、顧客との多くの接触機会を創出して、ビジネスチャンスを拡大できるのです。
営業代行は中小企業や地方企業にもおすすめ
営業代行は、中小企業や地方企業にもおすすめの施策です。
地方には、人口が集中する大都市には存在しない課題があります。それは、労働力人口(15歳から64歳の人口)が集まりにくいことです。
地方に本社を置く中小企業や地方企業の多くは、求人への応募が集まらないという問題を抱えているでしょう。
営業代行を利用すると、採用活動をスキップして営業人材を確保できます。採用活動のコストをカットして、営業活動に取り組めるのです。
中小企業・地方企業に営業代行を導入するときのメリット・注意点を知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
関連記事:営業代行で地方を開拓!地方の中小企業が代行サービスを利用するメリットと注意点
営業代行で効果を出すための運用ポイント
営業代行で効果を出すための運用ポイントは、次のとおりです。
- 営業代行のメリット・デメリットを確認する
- 営業代行の正しい選び方を知る
- 営業代行と社内営業を連携させる
営業代行には、目的や内容によって複数の種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。種類とメリット・デメリットを確認することで、営業代行の費用対効果を高められます。
営業代行の正しい選び方を知ると、自社に合った営業代行を見極めやすくなります。営業代行を選ぶポイント、具体的には料金体系や実績などを確認して、最も相性のよい営業代行を見つけましょう。
営業代行は社内営業と連携させることで、営業効果を高められます。情報共有できる仕組みやお互いにフィードバックできる関係性を構築して、営業目標を効率的に達成しましょう。
営業代行を導入するタイミング
営業代行を効果的に導入するタイミングは、次のとおりです。
- 新規事業の営業リソースが足りないとき
- 短期間で成果を出す必要があるとき
- 営業人材の確保が難航しているとき
営業代行は、新規事業で不足した営業リソースを補うのに役立ちます。
自社と関連の深い業種・業界で実績を残している営業代行に依頼すれば、新規事業の存在をより多くのターゲットにアピールしてもらえるのです。
営業代行は、人材確保が難航しているときにも効果的です。
現在の日本は、出生数が70万人を下回り合計特殊出生率が1.15を記録するなど、少子化が進行しています。こうした中で、自社の求人に応募が集まらないのも無理はありません。
営業代行を利用すると、短い期間で、自社に必要な営業リソースを確保できます。営業代行を利用している間に、自社の人事戦略を再構築することも可能です。
自社の営業に課題を感じたら、上記のタイミングに合致していないか確認してみてください。
まとめ
最後に営業代行が向いている業種・業界をまとめます。
- 情報通信(IT・SaaS)業
- 建築業
- 製造業
- 福祉・介護
- 人材紹介業
上記以外にも、以下の特徴を持つ業界は営業代行がおすすめです。
- 社員の入れ替わりが激しい(=営業人材が育たない業種・業界)
- 商材に関する高い専門知識や経験が不要(=マンパワーによる人海戦術が有効な業種・業界)
反対に、営業代行が一般消費者のお宅に飛び込み訪問するような業種・業界は、営業代行に向いていません。
営業代行に興味を持った方は、ぜひこの機会に「営業代行比較サイト」を利用しましょう。
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